酪農尿汚水を簡易ばっ気処理している事例

 酪農尿汚水を簡易ばっ気処理して、液肥の製造を行っている例を紹介します。なお、この施設は、このサポートシステムにて推奨する施設設計にある泡消しの構造がないため、ばっ気槽での泡の発生が多いです。


図1 施設の概要

 この施設は、FRP製サイロを半地下にしてばっ気槽とした例です。

 BODが10,000ppmを超える高濃度の汚水になっていました。


図2 各槽のBOD

 第1ばっ気槽でBODが大きく低下します。


図3 各槽のSS

 ばっ気槽では、SSの減少は少ないです。貯留槽で沈殿して減少ていますが、農地に還元する場合は、SSは問題にならないので、なるべくかく拌してから、農地還元するようにすべきです。


図4 各槽のアンモニア濃度

 アンモニア濃度は第一ばっ気で低下して、それ以降に変化はありません。ばっ気槽の水温や汚水の投入状況によって、処理水のアンモニア濃度は大きく変化する可能性があるので、成分分析をして、施肥してください。日常管理には、簡易測定紙アクアチェックパックテストが便利です。

 この例では、硝酸と亜硝酸はどの槽でも検出されませんでした。窒素の一部が硝酸や亜硝酸になっていることがあります。亜硝酸は施肥すれば速やかに硝酸に変わるので、特に問題はありません。しかし、亜硝酸の多い水を家畜などが飲むと死亡することがあるので注意を要します 。成分分析をして、施肥してください。日常管理には、簡易測定紙アクアチェックパックテストが便利です。


図5 各槽のリン酸濃度

 リン酸は全く検出されなくなりました。不溶性の塩になっていると考えられます。


図6 各槽のカリウム濃度

 カリウム濃度はほとんど変化しません。飼育頭数や餌が変わるなどによって、汚水の性状が変わった時は、成分分析をしてから、施肥してください。


図9 各槽のpH

 pHは、少しアルカリ性側に変化して安定します。


図10 各槽の大腸菌群数


 尿汚水は、アンモニア濃度が高いために大腸菌群が生育できないようです。簡易ばっ気することで、アンモニア濃度が下がり、大腸菌群が検出されることありますが、かなり低いレベルなので問題ありません。


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