汚水処理技術の事例紹介と評価

[浄化処理(ふん尿分離)]

1.処理施設の概要(企業からの情報に基づき作成したものである)

企 業 名

伊藤忠林業株式会社

処理方法

回分式活性汚泥法(ばっ気式ラグーン法、リン除去)

適応畜種

豚舎・牛舎廃水

問い合わせ先・担当者

水処理事業部営業部 衛藤昭彦
〒107-0061 東京都港区北青山2丁目12番16号 北青山吉川ビル6階
TEL:03-3497-8379 FAX:03-3497-8376
技術を参照できるURL:http://www.itcringyo.com/
お問い合わせ:mizu@itcforestry.co.jp

処理施設の概略フロー

処理施設の概要

 豚舎と牛舎の混合汚水を振動篩によって固液分離し、 回分式活性汚泥法(間欠曝気)によってBOD、SS、COD、T-Nを除去し、(リン規制値が高いので)凝集沈澱法によって高度処理を行い放流するシステム。養豚、養牛農家19戸による共同利用浄化設備。

処理施設の特徴

  1. 処理システムがシンプルで機能が安定しており負荷変動にも強い。
  2. 無希釈による処理が可能
  3. 処理性能では脱窒能力が高い。
  4. 凝集処理によるリンの除去が可能。
  5. データモニタリングなど現場での自動記録データにより適正な運転管理ができる。
  6. 遠隔監視システムにより施工者(伊藤忠林業株式会社)への自動転送によるリアルタイムでの運転技術のバックアップ体制がとれる。
  7. 共同処理型の設計であり、単独農場の浄化槽と比較して、負荷変動などの不安定要素が強いため、これらを考慮したゆとりのある設計である。
  8. スクリュウプレス型脱水機による原汚水及び余剰汚泥の固液分離を行って浄化処理する。
  9. 小〜大規模農家、共同処理型の汚水処理に対応できる。

処理施設の実施状況

1. 畜種、飼養規模 
:豚(12 戸)、母豚940 頭、子豚1550 頭、肥育豚5700 頭、牛(7 戸)経産・育成牛505 頭
2. ふん尿の排出方法 
:豚・分離豚舎、牛・フリーストール
3. 希釈倍率 
:希釈なし
4. 処理水の処置 
:河川放流

排出汚水量・BOD 量

1. 排出汚水量 
:55 m3/日(5.7L/頭・日)
2. 排出汚水BOD 量 
:773kg /日(80g /頭・日)
3. 排出汚水BOD 濃度 
:14,055mg/L(設計計画値)

固液分離の方法

1. 固液分離機の種類 
:畜舎汚水の固液分離機(振動篩)
:余剰汚泥及び原水スラリーの固液分離機(スクリュウプレス)
2. 凝集剤の使用 
:余剰汚泥及び原水スラリーの分離に高分子凝集剤(添加量1.6%/ SSkg)
3. 分離固形分水分 
:振動篩シサ(85%)、脱水ケーキ(82%)

高度処理方法

無し

水質処理性能

曝気槽BOD 容積負荷量:0.2kg /m3・日

曝気槽投入汚水 曝気槽処理水 高度処理水 除去率
SS mg/L 13,296 70 40 99.7
COD mg/L 5,000 200 120 97.6
BOD mg/L 14,055 60 40 99.7
T-N mg/L 2,000 60 55 97.3
T-P mg/L 400 80 8 98.0

処理経費

1. 処理施設の建設費 
:建設費の合計(13,400 万円)、年償却費(804 万円)
2. 維持管理費 
:維持管理費の合計(電力費+薬品費= 667 万円)
3. 高度処理経費 
:建設費1,600 万円(年償却費96 万円)、維持管理費(211 万円)
4. 処理経費の合計 
:1,778 万円/年
 母豚1頭当り(1.84 万円)  出荷豚1 頭当り(920 円)
 (豚・牛共同利用のため、豚に換算して計算)

導入に当たっての留意点

  1. 用地は必要地耐力のある安定地盤であること。
  2. 北海道中央部のような厳寒地では保温対策が必要。
  3. 浄化槽平面形状は円形または楕円形が原則であるので、このような形状で設計できる用地が必要。
  4. 新規に浄化槽を導入する場合、新たに余剰汚泥等の脱水ケーキが発生するので、これを処理するための発酵堆肥設備を配慮する必要がある。

2.評価結果(評価委員会による評価結果)

総合評価

  1. 養豚農家12 戸、養牛農家7戸、計19 戸の農家の共同利用大規模汚水処理システムである。
  2. 基幹設備となっている複合ラグーン(回分式間欠ばっ気活性汚泥法)は非常に実績の多い処理システムで、多くの運転ノウハウと実績を持っている点で優れており、窒素を含め良好な処理性能が期待できる。実施例ではさらに凝集剤による高度処理を実施しており、リンも良好に低減化できる。
  3. 高度処理が含まれているが、処理規模が大きいこともあり処理経費は全処理法の中でも安い。全体的には窒素・リン規制のある地域における、豚舎汚水および牛舎汚水を対象とした共同利用型浄化システムの優良例である。
  4. 良好な処理性能を維持するためには適正な活性汚泥の管理が必要である。

評価チャート

評価年月日

事例(群馬:1 − 1)

事例(3:鹿児島)

事例(1 − 2)

事例(3:鹿児島)

事例(2:北海道)

施工状況