堆肥化技術の事例紹介と評価

[開放型攪拌方式]

1. 処理施設の概要(企業からの情報に基づき作成したものである)

企業名

東洋テクノ株式会社

堆肥化処理方式の区分

回行型・ロータリー式+堆積方式

問い合わせ先・担当者

東洋テクノ株式会社 営業部・渡辺広之、中澤 勇
所在地:埼玉県桶川市川田谷5697番地
TEL:048−787−5248 FAX:048−787−5249

基本設計数値等

1. 施設の概要: 
牛ふんをロータリー式、開放撹拌発酵槽全面に薄く広く散布しながら撹拌処理をする施設
2. 処理方式: 
施設使用開始時、施設全面に水分調整材を約30cm 位敷き詰め、その上に薄く広く生ふん尿を散布、撹拌処理×2系列
3. 適用畜種: 
搾乳牛(63頭)
4. 原料処理量: 
2.0トン/ 日(803トン/ 年、敷料を含む)
5. 副資材: 
0.2トン/ 日
6. 調整水分(投入水分): 
83%
7. 全発酵期間: 
100日〜120日
8. 施設所在地: 
埼玉県

処理施設の概略フロー

施設の特徴

  1. 施設使用開始時に発酵槽全面にモミガラ等水分調整材を約30cm 位敷き詰め、その上に水分調整をしない生ふん尿(水分80〜90%)を散布機にて薄く広く散布するため、毎日の水分調整は不用である。
  2. ロータリー撹拌方式にて好気性菌発酵で悪臭が少ない。
  3. 太陽エネルギーと発酵エネルギーを最大限利用した処理施設のため、ランニングコストは電気代のみである(月額45,000〜50,000円)。
  4. ふん尿一括処理が可能である。
  5. 耐用年数は通常10年と記しているが、実質的には20年位は長持ちする。

施設の稼動状況(実施例)

1. 畜  種: 
搾乳牛
2. 飼養規模: 
63頭
3. 畜舎構造: 
バーンクリーナー式
4. 設置年月日: 
1999年3月
5. システム構成: 
本施設は牛舎より直接生ふんを散布機にて散布しながら撹拌する方式。
6. 堆肥生産量: 
0.68トン/ 日(250トン/ 年)
7. 管理者数: 
常勤者1人
8. 畜ふんの搬送: 
バーンクリーナーにて直接散布機へ搭載する。
9. ふん尿の分離: 
分離不用
10. 脱臭装置の有無: 
無し

原料の前処理

1. 搾汁処理の有無: 
無し(不要)
2. 異物の分別対策: 
無し(不要)
3. 原料の破砕: 
無し(不要)

堆肥化原料と投入量・生産量

1. 施設能力(投入原料ベース): 
1,000トン/ 年
2. 家畜ふん原料: 
2トン/ 日(730トン/ 年)
3. 水分調整材: 
0.2トン/ 日
4. 混合ふんの重量および水分: 
2.2トン/ 日 水分70% 2.97m3
5. 処理日数: 
100日〜120日
6. 堆肥化原料の混合および投入作業: 
牛舎バーンクリーナーより直接散布機へ投入。
7. 1次処理および2次処理の運転方法: 
本施設は1次処理、2次処理と特に区分けせず発酵日数100〜120日処理し、堆肥が一杯になれば、定期的に取り出す方法である。
8. 堆肥の貯留と製品化設備: 
袋詰めは行なっていない。バラで全量出荷している。
9. 堆肥の年平均生産量: 
250トン/ 年(バラ)
10. 製品堆肥の販売単価: 
10,000円/ トン、6,600円/m3
11. 堆肥成分分析例 
(単位:水分は湿物値、他は乾物値)
水分% 灰分% pH EC mS/cm 有機炭素% 全窒素% C/N 比 リン酸% カリ% 発芽指数
39.36 34.2 2.71 12.6 2.84 6.13
分析方法は肥料分析法(1992年度版)による(埼玉県農林総合研究センターによる分析)

処理経費

1. 施設建設費: 
30,000千円(建築16,000千円、機械設備14,000千円)、減価償却費(施設20年、機械7年耐用):2,520千円/ 年
2. 維持管理費(電力費・副資材費・修繕費の合計): 
500千円/ 年
3. 処理経費の合計(年償却費+維持管理費): 
3,020千円/ 年
4. 原料1トン当たりの処理経費: 
4,137円/ トン

導入に当たっての留意点

  1. 水分調整材が必ず必要になる。
  2. 施設必要面積を出来るだけ大きくしたい(裕余率10%)。

本方式の適用可能な畜種


乳牛、豚、採卵鶏、ブロイラー等全畜種

他畜種への主な納入実績例

1. 埼玉: 
肥育豚2,300頭
2. 茨城: 
鶏13,0000羽
3. 茨城: 
搾乳牛350頭

2. 評価結果(評価委員会による評価結果)

総合評価

  1. 主原料は酪農牛ふんで、処理量2トン/ 日の堆肥化施設である。戸別農家の堆肥化装置として適用できる。
  2. 処理法の特徴として、堆肥化装置使用開始時に回行型発酵槽全面にモミガラ等の水分調整材を約30cm 敷き詰め、その上に高水分の牛ふんを全面に薄く散布してから攪拌し、堆肥化する方法である。堆肥材料の堆積高さが80cm 程度と浅く、乾燥と発酵を兼ねた装置である。
  3. 攪拌機の上部にホッパーが付設されており、バーンクリーナーから運ばれてきた牛ふんはホッパー内に投入される。発酵槽は回行型(エンドレス型)で、攪拌機は、走行、攪拌しながら堆肥材料の乾いた部分に牛ふんを散布する。100〜120日後に発酵槽内の堆肥を一部あるいは全部搬出して堆肥舎へ移送する。
  4. 牛ふんは毎日発酵槽へ投入できるが、乾いたところへ投入していかないと堆肥材料水分が高くなり堆肥化できなくなるので、牛ふんの散布方法には十分な注意が必要である。
  5. 堆肥原料の水分調整をせず発酵槽全面に散布し、発酵槽での天日乾燥も期待するため、発酵槽の面積が予め副資材を混合する堆肥化装置と比べて広く必要で、施設規模が大きくなる。
  6. 堆肥を発酵槽から搬出するのは、堆肥化を開始してから3〜4か月後であるが、比較的新しい堆肥材料も搬出されることがあるので、搬出後は堆肥舎で腐熟期間を2〜3か月程度確保することが望ましい。腐熟期間を長く取ることによって良質堆肥の生産が期待できる。
  7. 本方式は、新しい原料を追加しながら堆肥化する方式のため、製品堆肥のミネラル分が多くなる。利用に当たってはこの点に留意する。

評価チャート

評価年月日

3. 施設説明写真


牛舎内全影(バーンクリーナー式)

牛舎内バーンクリーナーより直接施設へ

施設全影

バーンクリーナーにて
直接散布機へ搭載

施設全影. 散布機にて広くうすく
散布しながらの撹拌

同上