堆肥化技術の事例紹介と評価

[開放型攪拌方式]

1. 処理施設の概要(企業からの情報に基づき作成したものである)

企業名

緑産株式会社

堆肥化処理方式の区分

堆積型・手動自走ロータリー式+堆積型・手動自走ロータリー式

問い合わせ先・担当者

プロジェクト営業部 藤井満
〒229-1124 神奈川県相模原市田名3334番地
TEL:042-762-1021 FAX:042-762-1531
技術を参照できるURL:www.ryokusan.co.jp
お問い合わせ:sales@ryokusan.co.jp  または、ホームページから

基本設計数値等

1. 施設の概要: 
各牛舎内より敷料とふん尿の混ざった状態の原料が堆肥発酵舎に搬入され、パイルを形成して切り返し機「トップターン」により切り返し発酵を行う。
2. 処理方式: 
トップターン式(エンジン自走・高速回転ローター攪拌)+1次処理と同一施設
(1次2次の明確な区分は無く一貫処理)。
3. 適用畜種: 
肥育牛:980頭(設計飼養頭数)
4. 原料処理量: 
23.3トン/ 日(7,641トン/ 年、敷料を含む)
5. 副資材: 
おが屑
6. 調整水分(投入水分): 
72%
7. 全発酵期間: 
〜90日(最大)
8. 施設所在地: 
栃木県

処理施設の概略フロー

施設の特徴

  1. 大口径ローターの高速回転により反転・粉砕・跳ね上げ・パイル形成を同時に行なう。原料は細かくされ、跳ね飛ばされて空気と混ぜられ、空隙の多い通気性の良い山形パイルを形成するため、好気的な条件が保たれ悪臭が少なく仕上り時間が早い。
  2. 大処理能力と電気設備が不要のためランニングコストが非常に安い。
  3. 切り返し機械が動いていない時も空隙の多い堆肥パイルでは常に空気の対流が発生し、好気的な条件が保たれ悪臭が少なく仕上り時間が早い。
  4. 攪拌機と堆肥舎だけで構成され、コストの高いコンクリート擁壁や電気設備等の付帯設備がないのでイニシャルコストが安価ですむ。

施設の稼働状況( 実施例)

1. 畜  種: 
肥育牛
2. 飼養規模: 
1,700頭(現状飼養頭数)
3. 畜舎構造: 
フリーバーン牛舎
4. 設置年月日: 
1999年5月
5. システム構成: 
堆肥舎、切り返し機、ローダー
6. 堆肥生産量: 
肉牛ふんの堆肥:2,664トン/ 年
7. 管理者数: 
非常勤者1人(牛舎作業と兼務)
8. 畜ふんの搬送: 
ダンプまたはローダー
9. ふん尿の分離: 
無し
10. 脱臭装置の有無: 
無し

原料の前処理

1. 搾汁処理の有無: 
無し
2. 異物の分別対策: 
無し
3. 原料の破砕: 
無し

堆肥原料と投入量・生産量

1. 施設能力(投入原料ベース): 
8,500トン/ 年
2. 家畜ふん原料: 
6,653トン/ 年+敷料988トン/ 年=7,641トン/ 年
3. 水分調整材料: 
988トン/ 年(敷料として入っている、堆肥舎では水分調整は行なわない)
4. 混合ふんの重量および水分: 
7,641トン/ 年
5. 処理日数: 
〜90日(最大)
6. 堆肥化原料の混合および投入作業: 
ダンプなどで搬入積み下ろし。
7. 1次処理および2次処理の運転方法: 
1次処理、2次処理の区別はしない。1週間(前期)〜2週間(後期)に1回切り返し
8. 堆肥の貯留と製品化設備: 
袋詰め無し
9. 堆肥の年平均生産量: 
2,664トン/ 年(全量バラ)
10. 製品堆肥の販売単価: 
3,195円/ トン(1,000円/m3
11. 堆肥成分分析例 
(単位:水分は湿物値、他は乾物値)
水分% 灰分% pH EC mS/cm 有機炭素% 全窒素% C/N 比 リン酸% カリ% 発芽指数 石灰% 苦土%
29.96 19.37 8.90 9.94 38.68 2.44 15.8 4.31 4.26 2.76 1.39

処理経費

1. 施設建設費: 
116,865千円、減価償却費(施設20年、機械7年耐用):9,208千円/ 年
2. 維持管理費(燃料費・修繕費の合計): 
391千円/ 年
3. 処理経費の合計(年償却費+維持管理費): 
9,599千円/ 年
4. 原料1トン当たりの処理経費: 
1,256円/ トン

導入に当たっての留意点

  1. 切り返し機の能力が大きいため、規模が大きくなるほどスケールメリットが出る。
  2. ある程度の敷地が必要である。

本方式の適用可能な畜種

乳牛、肥育牛、豚、鶏、その他有機性残渣廃棄物全般

他畜種への主な納入実績例

1. 北海道: 
堆肥供給センター、牛ふん尿+下水汚泥+バーク+おが屑、18,000トン/ 年(2000)
2. 鹿児島: 
養豚場5トン/ 日(2004)
3. 茨 城: 
採卵鶏10万羽(2004)
4. 長 野: 
搾乳牛60頭、育成牛30頭(2004)
5. 鹿児島: 
K 町地域内有機資源(牛・鶏・精糖汚泥・刈草他)堆肥化(2004)

2. 評価結果(評価委員会による評価結果)

総合評価

  1. フリーバーンで敷き料と混合された肥育牛ふんを、エンジン乗用型ロータリー撹拌装置のオープン式堆積発酵舎で処理している。
  2. 攪拌機は3500型(有効幅4.5m)と4000型(有効幅5.5m)の2機種あり、実稼働システムは3500型を採用している。
  3. 実稼働システムは週2〜1回の切り返しを行っているが、労働時間の多少により切り返し回数を自由に設定でき、実情に合わせて調節可能である(日平均乾物分解率が変化するので注意する)。
  4. 原料投入時のパイル作成にやや熟練を要すると思われる。
  5. 運転時には、必ず運転手が拘束される。
  6. オプションで横移動機械、散水機械も用意されており、システムとしての完成度は高い。
  7. 側壁がないため、パイルの安息角が必要で、堆積高さに対して底面が広くなり、他の同規模施設に比較すると広い敷地が必要である。
  8. 施設費は安価。機械を含めてもそう高くはない。運転コストも安い。

評価チャート

評価年月日

3. 施設説明写真


低コスト堆肥舎(屋根・底盤のみ)

切り返し機(トップターン3500型)

切り返し機(大型X シリーズ)

切り返し機(中型RT シリーズ)

切り返し機(トップターン3500型)