堆肥化技術の事例紹介と評価

[乾燥・堆肥化服装施設]

1. 処理施設の概要(企業からの情報に基づき作成したものである)

企業名

株式会社 サタケ

堆肥化処理方式の区分

乾燥・堆肥化・複合施設(バイオマス乾燥システム)

問い合わせ先・担当者

産業システム部 環境システム課
前田 佳子
部署代表者名: 岡朶 隆司
〒739-8602 広島県東広島市西条西本町2-30
TEL:082-420-8625 FAX082-420-0003
技術を参照できるURL:http://www.satake-japan.co.jp/
お問い合わせE-mail:kankyo_system@satake-japan.co.jp

技術の概要

1. 技術の名称:バイオマス乾燥システム
(バイオマス熱風発生炉+二軸式多目的乾燥機:SAU800+SRA1000E)
籾殻・木チップなどのバイオマスを原料にバイオマス熱風発生炉より熱源を供給し、畜ふんや生ゴミ、汚泥など様々な有機物を乾燥や発酵の前処理する技術。
2. 来機種の型式・名称:
@ 従来機種の型式・名称:高速発酵促進機(SRA1000E)
A 従来機種の改良点:従来の高速発酵促進機は、灯油を燃料とするため、CO2排出量の増加、ランニングコストの増加等が難点であった。そのため、エネルギー供給装置「バイオマス熱風発生炉」と組合せ、バイオマスを原料に熱源とすることで、CO2排出量を増加させず(カーボンニュートラル)、環境にやさしいエネルギー供給を行うようにした。
B 新技術への更新の要否
従来機種(灯油利用タイプ)も客先の希望に応じて、販売可能です。
3. 技術のシステム構成:
本施設は、フローシートに示したように、原料置場、バイオマス熱風発生炉+二軸式多目的乾燥機、脱臭装置(※)、通気堆積型発酵槽、製品置場等で構成される。
※脱臭装置仕様
名称 触媒燃焼脱臭装置
型式 MDFS01
動力 5.8kW
外形寸法 W2,079×2,257×H2,050(mm)
処理風量 30Nm3/min(SRA1000E用)
バーナ最大消費量 14L/h(平均8〜10L/h程度)、灯油
触媒材質 白金(ステンレスに白金をコーティング)
4. 主機となる設備:
フローシート中、バイオマス熱風発生炉(SAU800)、二軸式多目的乾燥機(SRA1000E)を中心とする前処理工程。
5. 処理技術の概略フロー:
6. 技術の新規性と特徴:
@ 新規性
二軸式多目的乾燥機で火力乾燥を行うが、バイオマスを燃料に利用するため、すべて堆積型となる堆肥化方式(水分調整材としてバイオマスを混合)よりも短期間・省スペースかつ環境負荷の少ない堆肥化を行うことができる。ランニングコスト的にも、化石燃料の4分の1のコストで乾燥処理が行える。(参考:籾殻3円/kg、灯油価格65円の場合)
A 特徴
おが屑や籾殻等の水分調整材が不要。
水分調整材等不要のため、発酵期間が短く、建築面積も小さくなる。
高温での乾燥処理により、有害な病原菌や雑草種子を死滅させる。
設置地域にバイオマスが十分ある場合は、バイオマスを燃料に乾燥を行うが、万が一調達できなくなる場合も、灯油に切り替え乾燥を行えるため、年間を通して安定的に堆肥生産が可能である。
7. 技術の適用範囲:
各畜種の家畜ふん等の堆肥化装置として適用できる。その他、生ごみ、汚泥等の堆肥化・減容施設への適用も可能である。

設置されている畜産経営の概要
畜産経営の概要

(1) 飼養畜種・飼養規模:肥育牛4,200頭
(2) 畜舎構造・畜舎面積:ルーズバーン方式
(3) 畜舎内ふん尿分離の方法:ふん尿混合方式
(4) 自己所有のほ場面積:250,000m2

設計諸元と施設概要

(1) 設計諸元と設計概要
@ 主原料の構成と性状
主原料:肉牛ふん約5トン/日 水分80%
A 副資材の構成と使用量
不要。(水分が高い場合は、乾燥済み原料を機内に残し、水分を調整する)
B 調整後の適応水分範囲等
50〜65%
(2) 処理性能
@ 1次処理および2次処理の運転方法:
1次処理:二軸式多目的乾燥機 6h×2バッチ運転/日 
(バケットローダーにより投入、機械攪拌)
2次処理:通気堆積型発酵槽
A 処理日数:
1次処理(前処理) :1日 6h×2バッチ運転/日
2次処理(発酵処理):30日間
B 製品堆肥水分:
30〜45%
C 原材料の水分、有機物量、発熱量、分解率等
投入原料水分:80%
有機物量:80%-DS
発熱量:4,500kcal/kg
堆肥化期間における有機物分解率:25%
(3) 施設の設置面積
原料ふん1トン当たりの設置面積:
バイオマス乾燥システム設置面積:W16m×D6m=約96m2
(牛ふん約1〜8t/日処理対応) 
処理量によっては、SRA2000E(20m3タイプ)の利用も可。
施設所在地:福岡県

稼動施設の概要

(1) 堆肥化施設の設置年月
バイオマス乾燥システム設置年月は2008年4月
(※既設施設利用)
(2) 施設の処理能力および実処理量
肉牛ふん5トン/日  実処理量:5トン
(3) 処理対象:肉牛ふん
(4) 施設の設置面積等
施設設置面積:W17.2m×D7.3m=約126.2m2
(5) 主原料の前処理と固液分離機の有無
@ ボロ出しの有無:なし
A 異物の分別対策:手作業で分別
B 原料の破砕処理:なし
C 原料の乾燥処理:あり(二軸式多目的乾燥機による火力乾燥)
D 投入材料の水分・容積重調整:
水分調整なし、投入材料容積重:約0.7トン/m3
E 固液分離機:なし
(6) 搾汁液処理の有無:なし
(7) 堆肥化施設への畜ふんの搬送・混合・投入作業:
バケットローダーにより搬送、投入、機械攪拌
(8) 投入原料の重量および水分等
重量5トン/日、水分70%、容積重約0.7トン/m3
(9) 製品化設備と製品貯蔵設備
@ 仕上がり堆肥の調整:製品堆肥篩分
A 堆肥の貯留日数:年間平均300日装置
B 乾燥の有無・方法:発酵乾燥・機械乾燥
C ペレット化の有無・方法:ペレット化あり、造粒機による 
D 袋詰めの有無・方法:袋詰めあり、製袋機による
E 製品貯留設備:製品貯蔵
(10) 製品生産量と販売量(袋詰め、バラ)
ペレット堆肥:年間約13,000トン/年(袋詰 90%、バラ 10%)
全量販売
(11) 残渣の発生量とその処分:
全量販売
(12) 施設の運転にかかわる日常作業量:
常勤者1人
(13) 脱臭設備の有無:なし
(14) その他の付帯処理設備:とくになし

堆肥成分分析例

確認不能



処理経費(応募施設の実績値)

処理施設の建設費(土木建築、設備機器)36,567千円
減価償却費
機械・設備費   (H×0.9÷7年)4,700千円
維持管理費(電力、燃料、消耗品、薬剤、補修、分析費等)
年間維持管理費合計 2,590千円
堆肥製品販売額
@ 堆肥販売量:約13,000トン/年(袋詰 90%、バラ 10%)
A 1トンあたりの販売価格:6,000円/トン
B 販売額合計: 78,000千円/年
年間処理経費
@ 施設償却費 4,700千円
A 維持管理費の合計 2,590千円
B 年間処理経費(販売益相殺なし): @4,700千円+A2,590千円=7,290千円
C 年間処理経費(販売益相殺): @4,700千円+A2,590千円−B78,000千円=−70,710千円
処理経費原単位
@ 肉用牛一頭当たりの経費:確認不能
A 出荷頭数当たりの経費:該当しない
B 処理原料1トン当たりの経費:確認不能
C 飼養1頭あたりの経費(販売益相殺):確認不能
D 出荷頭数当たりの経費(販売益相殺):該当しない
E 処理原料1トン当たりの経費(販売益相殺):確認不能
F 製品生産量1トン当たりの経費(販売益相殺):確認不能
その他必要な付帯処理設備
該当なし
10年スパンの主要な定期点検、交換部品等
  機器 点検・交換 点検・
交換頻度
点検・交換
費用(概算)
二軸式多目的乾燥機 軸受 分解点検 5年 114万円
排出用ゴムパッキン 交換 0.5年 2万円
バイオマス熱風発生炉 原料供給スクリュー 分解点検 2年 5万円
灰排出スクリュー1 分解点検 2年 3万円
灰排出スクリュー2 分解点検 2年 2万円
原料ホッパー 分解点検 6年 2万円
炉内キャスタブル 補修 2年 3万円

導入に当たっての留意点

原料水分が計画より高くなると、前処理の乾燥期間が計画より長くなる。
設置地域に十分なバイオマスがない場合は灯油を燃料とする。

納入実績

処理方式 処理原料 処理量
(1日あたり)
納入年次
@ 前処理 :火力乾燥
一次発酵:ロータリー撹拌
二次発酵:通気堆積
乳牛、肉牛、豚、生ゴミ 118t 平成18年
A 前処理 :火力乾燥
一次発酵:ロータリー撹拌
二次発酵:通気堆積
し尿、野菜残渣 6.8t 平成20年

本方式の適用可能畜種および畜産以外の適用可能原材料

(1) 適用可能畜種:乳用牛、肉用牛、採卵鶏、ブロイラー
(※特に高水分原料に有効)
(2) 畜産以外の適用可能原材料等:生ごみ、し尿、汚泥

2. 評価結果(評価委員会による評価結果)

総合評価

  1. モミガラなどのバイオマス廃棄物を熱発生炉で燃焼させ、その熱を肉牛牛舎敷料など、材料水分が高くそのままでは堆肥化できない材料の乾燥に使うことで、堆肥化の副資材を低減する低コスト乾燥技術を提供している。
  2. 副資材が不要となるため、堆肥化装置の規模も大きくならない。
  3. 燃料・熱源となるモミガラが通年必要となるので、その確保と保管場所が必要である(カントリーエレベータなどとの契約)。
  4. 燃焼炉の管理に必要な交換部品等の交換時期を明示しておくこと。
  5. 装置の取扱については、取扱説明書を設置するとともに、ユーザに十分な研修を行うこと。
  6. 本装置では燃焼炉を使うため火気には十分注意し、装置の周辺に燃えやすいものは置かないようにすること。

評価チャート

3. 施設説明写真

評価年月日 2009/11/17




バイオマス熱風発生炉 炉内部

バイオマス熱風発生炉




鰍キすき牧場 バイオマス乾燥システム設置写真

鰍キすき牧場 バイオマス乾燥システム設置写真2