細断古紙を副資材に利用した例

 以下の例のように、細断古紙のみを副資材にした場合、うまくいくときとそうでないときがあります。これは、細断古紙の質、ふんの水分、混合の割合、かく拌の程度、発酵槽の構造などの条件が違うためです。細断古紙を利用するときは、これらの条件を調整して、良好な発酵が得られるように試行錯誤する必要があります。

 北海道畜産試験場が行った試験では、水分86%の乳牛ふんに、細断古紙もしくはオガクズを混ぜて水分70%にして堆肥化した場合、細断古紙の方が高い発酵温度が得られました(図1)。また、堆肥化前後の容積がオガクズよりも小さくなりました(表1)。


図1 オガクズまたは細断古紙で堆肥化したときの温度の推移
(北海道畜産試験場「牛の敷料および牛ふんの堆肥化副資材としての破砕古紙の利用」2002年、図4を改変)


表1 乳牛ふん1tをオガクズまたは細断古紙で堆肥化したときの堆肥化前後の容積

混合後の重量(t) 混合後の堆積(m3 堆肥化後の堆積(m3
温暖期 オガクズ 1.5 4.2 3.2
細断古紙 1.3 3.2 2.1
寒冷期 オガクズ 1.6 3.9 3.2
細断古紙 1.3 3.3 2.1
(北海道畜産試験場「牛の敷料および牛ふんの堆肥化副資材としての破砕古紙の利用」2002年、表2と表6から算出)


 愛知県農業総合試験場が行った試験では、細断古紙のみを牛ふんに混合した場合(図2のオレンジ色のライン)、通気性が確保できなかったために発酵温度の上昇が遅い結果になりました。


図2 牛ふんに細断古紙およびオガクズを様々な割合で混ぜたときの堆肥化温度の推移
(愛知県農業総合試験場「粉砕古紙を牛ふんの堆肥化に利用」から引用)


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