これらの粕類は、水分が高いので、天日乾燥などをしてから利用します。
緑茶粕は、通気性の改善効果が弱いです。このため、これのみを副資材として畜ふんを堆肥化するのには適しません。分解されやすいので、他の副資材と合わせて利用すると良いです。どうしても混合比率を多くしたい場合は、切り返しの頻度を上げてください。また、窒素成分が多いので、出来上がり堆肥の窒素成分が高くなります。きちんと成分分析をして施肥するようにしてください。
コーヒー粕は、植物に利用されにくい窒素成分があるので、施肥設計の際には注意が必要です。また、発芽阻害物質が含まれているようなので、この点も注意が必要です。
佐賀県畜産試験場が行った試験では、工場から搬出された緑茶粕(茶がら)は水分が約81%あり、乾燥させて12%にすることで、豚ふんの堆肥化の副資材にしました。副資材を、この乾燥緑茶粕のみにすると、堆肥化温度が上がりにくくなりました(図1の灰色のライン)。緑茶粕は、窒素濃度が高く、乾物あたりで5.7%もありました。このため、出来上がり堆肥の窒素濃度も高くなり、副資材がオガクズのみのとき約2%であったのに対して、緑茶粕のみのとき約5%になりました。
神奈川県農業総合研究所が行った試験(「コーヒー粕の農業利用」2003年)では、コーヒー粕は水分65%なので、乾燥させる必要がありますが、乾燥させたものは吸水性が良いです。窒素が2%も含まれていますが、分解性が悪いため、速効性の肥料成分としては期待できません。また、コーヒー粕には、発芽阻害物質が含まれているとの報告があるので、注意が必要です。
埼玉県養鶏試験場が行った試験では、鶏ふんを、乾燥処理したコーヒー粕またはウーロン茶粕を副資材として堆肥化したところ、ウーロン茶粕では良好な発酵が得られましたが、コーヒー粕では最初の2ヶ月間では60℃以上に達しませんでした(図2)。
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