作物を生産した後の残渣は、そのまま畑にすき込んだりしていますが、天日乾燥などで水分を落とし、細断することで副資材になります。ただし、粉砕する手間が必要であり、入手できる時期が限られています。作物の種類、乾燥の具合、葉や土の混入量などによって、ふんに混合する適切な量が変化するので、注意が必要です。
園芸作物の病原菌には、堆肥化の温度が上っても死滅しないものがいます。伝搬させてしまう恐れがあるので、園芸残渣を副資材に使った堆肥は、安全のため園芸作物には使わないでください。→植物病原性微生物に注意する
愛知県農業総合試験場が行った試験(「農産物系残渣の利用」)では、野菜や花きの残渣は、細断することで副資材にできたようです。
千葉県畜産総合研究センターが行った試験(「農場有機性残さと家畜ふんの混合堆肥化と肥料利用<I>鶏ふんとトマト茎葉残さの混合堆肥化および肥料利用についての検討」2004年)では、トマトの残渣をハウス乾燥して細断することで副資材にできました。しかし、トマトに対する病原菌の対策として、全体を高温にする工夫が必要です。この試験では、鶏ふんを使うことで高い発酵温度が得られ、トマト萎凋病菌をほとんど死滅させることができました。
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