固液分離技術の事例紹介と評価

[ 固液分離機 ]

1. 固液分離機の概要(企業からの情報に基づき作成したものである)

企業名

ジャステック株式会社

分離機の機種

多板波動方式(トンパラ分離機)

使用区分

汚水用・汚泥用

問い合わせ先・担当者

土井康太郎
〒227-0062 横浜市青葉区青葉台1-15-30 ミトミビル2F
TEL:045-988-0120 FAX:045-988-0121
技術を参照できるURL:http://www.justec.org/
お問い合わせ:ホームページから

概略フローと構造

  1. 原水は水中ポンプで本体ユニット内のX堰計量槽の供給されます。計量槽によって一定量が計量された後に凝集反応槽へ送られ、余った原水は再び原水槽へ戻されます。同時に高分子注入ポンプから高分子凝集剤が注入され、凝集反応槽内でフロックを形成させます。

  2. フロック化した原水は凝集反応槽よりオーバーフローによってフィルター本体に流入します。水分はフィルターの昇降運動に伴ってギャップより落下します。固形物は搬送されながら少しずつ出口方向に向かいます。

  3. 十分に濃縮された汚泥は、波型に加工されたフィルターによってウエイトプレート内へ押し込まれていきます。出口に設けられたウエイトプレートと、フィルターとの間に生じたクサビ効果によって、さらに水分が除去され、固形物は脱水ケーキとなり、シューターより落下します。

  4. フィルターのギャップより落下した水分(ろ液)は、本体トレーを経由して処理水として排出されます。





分離機の特徴

(汚水用・汚泥用)

  1. 洗浄水及びブラシ類を用いなくても、連続的に脱水処理可能である。
  2. 豚毛・ワラなどの繊維質が混入してもトラブルが発生することなく、脱水処理できる。
  3. 原料は汚水・汚泥の水分が95%以上の流動性があれば脱水処理可能である。
  4. ポンプ作動範囲の水分であれば連動により自動運転が可能である。
  5. 目詰まり清掃は一切必要とせず、メンテナンスに人手が掛からない。
  6. 異物の混入によるトラブルの発生が極めて低く、日常管理が容易である。
  7. 目詰まりの発生がなく、安定した性能が確保できる。

設備の主な仕様と性能

(汚水用)
型式 動 力 処理能力
(濃度2%の時)
含水率 SS回収率 価 格
LP-300R 0.6KW 0.5 〜 0.7 m3/hr 80〜86% 90% 460 万円
LP-500R 0.6KW 0.75 〜 1.1 m3/hr 550 万円
LP-700R 0.6KW 1.05 〜 1.5 m3/hr 640 万円
LP-400L 0.8KW 2.25 〜 2.7 m3/hr 790 万円
LP-600L 0.8KW 3.4 〜 4.05 m3/hr 990 万円
LP-400WL 1.55KW 4.5 〜 5.4 m3/hr 1,410 万円
LP-600WL 1.55KW 6.8 〜 8.1 m3/hr 1,760 万円

導入実績等

  1. 豚舎(原水・余剰)180台
  2. パーラー舎排水 3台
  3. 産業排水 5台

導入に当たっての適応性と留意点

 原水の濃度がバラツクと高分子凝集剤の注入量をこまめに変更する必要がある。原水調整槽で濃度変動を抑え、十分な攪拌を行うことで高分子注入量を一定にさせ、処理性能を安定させる。

2. 評価結果(評価委員会による旧型式 VTS-1〜5に対する評価結果)

総合評価

  1. ふん尿汚水と汚泥の兼用分離機である。
  2. 凝集剤を用いて分離性能を高めた機種である。
  3. 処理能力から見て分離機の価格はやや高い。

評価チャート

注)本製品は、当初VTSシリーズの応募であったが下記の仕様変更によりLPシリーズを掲載している。なお、総合評価、評価チャートはVTSシリーズに対する評価である。

仕様変更の内容

変更理由 a)メンテナンス性を向上させる為に仕様変更を行った。
b)小規模農場から大規模農場までフォローアップできるように大型機種をラインナップさせた。
変更点とその効果 a)メンテナンス性の向上を目指し機器の高さを低くする仕様変更を行い、維持管理性や操作性が向上し調整・点検が容易に行えるようになった。
b)仕様変更の結果、大型処理能力機の製作が可能となりラインナップを増やし小規模農家から大規模農家まで対応可能となった。
評価年月日      2008/4/3