固液分離技術の事例紹介と評価

[ 固液分離機 ]

1. 固液分離機の概要(企業からの情報に基づき作成したものである)

企業名

株式会社 リセルバー

分離機の機種

スクリュープレス型

使用区分

汚水用及び汚泥用

問い合わせ先・担当者

株式会社 リセルバー 営業部 三浦 敏明
部署代表者名:三浦 征八朗
〒981-3521 宮城県大郷町中村字原町19番
担当部署・担当者名
TEL:022-359-2010 FAX:022-359-2021
技術を参照できるURL:http://www.reselber.com/
お問い合わせE-mail:info@reselber.com

設備の概略フローと構造

1. 固液分離技術の方式名称
植物性繊維添加方式スクリュープレス型固液分離機
2. 製品名、型式名
リセルバー脱水システム
3. 処理対象材料
併用(汚泥および汚水処理)
4. 導入が想定される場面
畜舎排水の前処理としての固液分離・脱水、余剰汚泥の分離・濃縮・脱水およびこれらの混合物の固液分離・脱水、浄化槽の3次処理としての固液分離・脱水等。
5. 概略構造

当該分離技術の新規性と特徴

1. 技術の新規性
従来の凝集剤だけでの固液分離・脱水技術に植物性繊維を添加することで含水率低減と水処理性能が同時に格段にUPする。
2. 技術の特徴
@高度な水処理効果、ふん尿混合・分離でもばっ気槽の負荷を低減。
A脱水ケーキを60%〜70%台まで低減。
BBOD、窒素60%〜70%除去。
C脱リン平均95%除去。
 ((株)リセルバーによる実績データより)

主な仕様と性能

1. 分離機の種類 :スクリュープレス
2. 脱水助剤の要否:リセルバー(植物性繊維の脱水助剤)と高分子凝集剤(主にカチオン性)が必要。
3. 仕様と性能
型式 R-1 R-2 R-3 R-4 R-5 R-6 R-7
動 力kW 2.2 3.7 5.5 5.5 5.5 7.5 7.5
処理量t/日 5〜15 15〜20 20〜30 30〜40 40〜50 50〜80 80〜100
原料水分% 96%以上
目幅mm 0.5〜3.0mm
固形物回収率% 95%以上
回収固形物水分% 63〜73%
(1日の稼働時間は8時間とする。記載の動力はスクリュープレス脱水機のみのもの)

価格、交換部品等

型式 R-1 R-2 R-3 R-4 R-5 R-6 R-7
耐用年数 7年
本体価格 820万円 1260万円 1380万円 1800万円 2000万円 2360万円 2580万円

導入に当たっての留意点

@糞尿、余剰汚泥等の流入性状(pH、濃度等)を安定させる。
A当システムに適正な凝集剤の選定が必要。
B砂等の異物混入が故障の原因になるので、異物の混入を極力避けることが望ましい。

納入実績

畜種 分離対象材料 規模 納入年次 件数
養豚 ふん尿分離 1,000〜20,000頭 2003〜2012 19

本方式の適用可能畜種および畜産以外の適用可能原材料

1. 適用可能畜種
乳用牛、肉用牛、豚、採卵鶏、ブロイラー、すべての畜種の汚水の固液分離に対応可能。
2. 畜産以外の適用可能原材料
各種汚水・汚泥処理の固液分離に対応可能。

2. 評価結果(評価委員会による評価結果)

総合評価

  1. 脱水助剤(繊維質成分)を利用することで高い脱水効率が得られている。対固形物2%程度の助剤添加でSS回収率98%、ケーキ水分70%以下と高効率の固液分離効果が得られる。
  2. 固形物回収率が高く、脱離液(脱水分離液)のSSが低いので、浄化処理工程の負荷が大きく軽減されることを考慮すると、メリットは大きい。
  3. 繊維粉としては15種類ほどある。繊維粉は150〜600円/kgで販売され、仮に1日3m3の汚水排出があるとすると1か月約2万7千円(300円/kgの繊維粉と仮定)要することになる。
  4. 当該システムは、脱水工程のみに関わるシステムであるが、脱水分離液の処理も含む、汚泥管理のトータルシステムとして、低コストで成立するよう考えられている。
  5. 助剤(繊維粉)は、脱水汚泥を経由して堆肥として土壌に還元されるため、その成分には十分な配慮がなされている。脱水分離液の浄化処理を含め、「使える技術と施設」の開発を目指している。

評価チャート

評価年月日 2009/11/17
脱水助剤の添加 脱水機投入
脱水ケーキ出口 脱水ケーキ(含水率68%)
処理前原水           脱水機脱離液 良好な発酵