汚水処理技術の事例紹介と評価
[メタン発酵処理(液肥利用)]
1.処理施設の概要(企業からの情報に基づき作成したものである)
企 業 名
株式会社栗本鐵工所
処理方法
メタン発酵処理
適応畜種
牛ふん尿
問い合わせ先・担当者
事業企画室 バイオプロジェクト 尾身 一夫
TEL:06-6538-7540 FAX:06-6578-8850
お問い合わせ:k_omi@kurimoto.co.jp
処理施設の概略フロー

処理施設の概要
牛のふん尿を混合したものを、発酵槽に供給し発酵槽を嫌気性、かつ発酵槽温度を37℃に保つ事によりバイオガス(メタン60%・二酸化炭素40%)を発生させる。このバイオガスを燃料としてコ・ジェネ装置により熱と電力を得る。発生した電力と熱は発酵槽の加温等プラント内で使用すると共に、余剰熱量が発生すれば外部供給する事ができる。発酵廃液は液肥として草地に還元する。
処理施設の特徴
- モジュール式発酵槽の採用で(2.3mW× 2.3mH ×11.8 mL:標準サイズ)イニシャルコストの低減及び現地工事の短縮化が可能となり、また牧場の増頭等での処理量の変更にも対応ができる。
- 畜ふん尿からのバイオガスをコ・ジェネにより電力、熱として有効利用することができる。
- シンプルなシステムで運転管理が容易である。
- 生ごみ等の他の有機性廃棄物との混合処理が可能。
- 消化液を液肥として農地還元が可能である。
- 個別分散処理に適している(50 〜 250 頭規模を対象)
処理施設の実施状況
- 1. 畜種、飼養規模
- :乳牛ふん尿、4.3 m3/日(乳牛75 頭規模)
- 2. ふん尿の排出方法
- :ふん尿混合方式
- 3. 希 釈 倍 率
- :希釈なし(ただし必要に応じて処理液の循環が必要な場合もある)
排出汚水量・BOD 量
なし
固液分離の方法
- ふん尿に敷料が多く含まれる場合には、固液分離機(スクリュープレス等)でその分離を考慮する必要がある。
高度処理方法
メタン発酵システムで該当しない。
水質調査例
メタン発酵システムで該当しない。
処理経費
- 1. 処理施設の建設費
- :建設費の合計(6,000 万円)、年償却費(360 万円)
- 2. 維持管理費
- :維持管理費の合計(電力費+油脂類+定期点検+補助燃料等= 90.4 万円/ 年)
- 3. 高度処理経費
- :なし
- 4. 処理経費の合計
- :乳牛1 頭当たり6.01 万円
導入に当たっての留意点
- 生産物として液肥の生産が可能であるが、この液肥を農地還元できるだけの草地、畑が必要になる。液肥として使用しない場合は、脱水処理後脱離液は水処理を行い固形分は堆肥化する等の方法が考えられる。
- 敷料に藁等を使用している場合には、その分離を考慮する必要がある。
2.評価結果(評価委員会による評価結果)
総合評価
- メタン発酵消化液を農地還元するための圃場面積が必要である。
- モジュール式発酵槽により工期は短縮されるが、コストは低減されず、処理経費は全処理方式をとおしてかなり高い。
- 発生ガス量と殺菌槽およびメタン発酵槽の加温熱量などの、エネルギーバランスが明確には示されておらず、導入にあたっては、使用農場に適するシステムであるか否かを十分に検討する必要がある。
- 粗大固形物の除去機構がないため、それらがポンプや配管の閉塞、発酵槽内への堆積が心配されるので注意が必要である。
評価チャート

 施設全景(手前はガスホルダ)
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 ガスエンジン
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 受け入れ槽 |
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 消化液貯留槽 |