一次発酵で十分に温度を上げるためには、仕込み原料に、易分解性有機物が、BODで数万mg/L以上必要です。易分解性有機物は、一般に、牛ふんで30,000mg/L、豚ふんと鶏ふんで70,000mg/L以上ありますから、家畜ふんが主体ならば十分な量を含んでいます。しかし、オガクズやモミガラ等の易分解性有機物が少ない資材を敷料に大量に使用しているためにふんの割合が少なかったり、発酵床のように畜舎内で易分解性有機物がすでに微生物によって分解されていたりすることによって、十分な温度が得られない可能性が考えられます。適切な水分で適切な通気をしても、発酵温度が60℃以上に上がらない場合は、その可能性を疑ってください。そのような場合は、新鮮なふんが多く入るようにしたり、敷料や副資材の混合量や種類を調整したり、米ぬかや廃食油などの易分解性有機物を多く含む資材を添加したりなどを検討して、微生物が熱を作り出せるようにします。
前のページにもどる