微生物

戻し堆肥を利用する

 発酵作用による堆肥化は、微生物の分解作用によるものです。ここで関与する微生物には、低温を好むものや高温を好むもの、酸素が多いと活発になるものや酸素がないところを好むものなど、幅広い微生物が存在しています。通気の具合、含まれている有機物の性状、温度といった環境の変化に合わせて、優先的に活動する微生物が変わります。微生物は、家畜ふんに十分に含まれているので、特に添加する必要はありません。微生物の添加よりも、むしろ堆肥化処理の環境を整えることが、良質の堆肥を生産するために重要です。

 戻し堆肥は、副資材の節約になりますし、生産する堆肥の量を減らすことができます。また、戻す堆肥が良質ならば、その堆肥を作った微生物が多く含まれているので、発酵促進や堆肥品質の安定化に効果があると考えられています。このような理由から、戻し堆肥をうまく使う処理方法は、推奨すべきだと考えています。

 戻し堆肥の使用量を多くしすぎると、空隙率が低くなって通気の妨げとなり、正常な発酵ができなくなるので注意が必要です。畜産環境技術研究所の試験では、戻し堆肥は、全副資材量の50%ならば問題ないが、75%にすると、堆肥化を3回繰り返したところで、正常な発酵ができなくなりました。このことから、戻し堆肥は半分程度までにすべきだと考えています。



前のページにもどる


「堆肥生産についての基礎知識」にもどる
「畜産農家のための堆肥生産サポートシステム」のトップページにもどる