通気量は少なくても多すぎてもよくない

 通気量が少ないと酸素が不足して発酵が進みませんし、逆に通気量を必要以上に多くしても有機物の分解が促進するとは限りません。一般に堆積槽1m3当たりに、1分間に50〜300Lの通気量が適切です。豚ふんや鶏ふんは牛ふんに対して乾物当たりの分解率が高いため、牛ふんよりも通気量を高めることで分解効率は高くなります。

 過剰な通気は、電気代の無駄になるだけでなく、発酵温度を下げたり、乾燥しすぎて微生物の活性が落ちたりといった悪影響が出ることもあります。表は牛ふんを原料として、通気量を1分間当たり100L/m3と300L/m3の条件で17日間堆積発酵した時の水分、有機物量、温度を計測した結果です。水分と有機物量の変化に、通気量の違いによる影響は見られませんでした。しかし、通気量の多い方は、温度が低くなりました。

表 通気量に対する堆肥水分、有機物分解および温度との関係
通気量弱の場合(100L/分・m3
発酵日数 水 分 % 有機物% 温 度℃
0日目 70.0 78.8 27.0
8日目 58.6 71.4 68.0
17日目 45.8 67.8 49.0

通気量強の場合(300L/分・m3
発酵日数 水 分 % 有機物% 温 度℃
0日目 70.0 78.8 27.0
8日目 57.7 72.8 56.0
17日目 44.9 67.1 32.0


前のページにもどる


「堆肥生産についての基礎知識」にもどる
「畜産農家のための堆肥生産サポートシステム」のトップページにもどる