堆肥の散布方式の違い
堆肥散布には専用機と肥料散布用の機械を利用する方式があります。また堆肥散布専用機は堆肥の散布方法により、横軸ビータ型、縦軸ビータ型、円形ブレード式に分けることができます。さらに、条施用の専用機もあります。
- 横軸ビータ型マニュアスプレッダー
散布羽根軸が水平のため散布幅は狭く、2〜3m程度ですが、長わらなどの入った堆肥への適応性があります。
- 縦軸ビータ型マニュアスプレッダー
散布羽根軸が垂直のため散布幅が7〜10mと広く、色々な堆肥に適応できます。
- 円形ブレード型マニュアスプレッダー
水平のかくはん羽根軸で2枚のディスクビータ上へ堆肥を落とし、円盤の回転で散布します。散布幅が最大10〜15mあります。
- 粉・粒状堆肥対応ブロードキャスタ
円盤を回転させる方式(スピンナ式)と振動する方式(フリッカ式)があります。小型の装置に向きます。化学肥料や土壌改良資材にも使えますが、水分の多い粘質の堆肥にはむきません。
- 粉・粒状堆肥対応ライムソワ
化学肥料や土壌改良資材を落下方式で散布する装置を堆肥用に使用するため、水分の多い粘質の堆肥にはむきません。ペレット化した堆肥ならば、化学肥料と同じように散布できます。多くの堆肥を搭載できるように改造している例もあります。
ペレット化した堆肥を散布しているところ
多くの堆肥を搭載できるように改造している例
- 堆肥条施用機
粉・粒状堆肥を条施用する機械です。堆肥と化学肥料を同時に施用するものや、覆土まで同時にしてくれる機械もあります。
- ホース圧送タイプの散布機
トラックに積載した本体から、ホースで50m〜100m先まで堆肥を送り込んで散布する装置(ハイらくらく)が開発されています。水分が少なくてサラサラしており、1cmほどの目の小さなフルイを通した堆肥、もしくはペレットにした堆肥で利用できます。大型機械が入れない施設園芸や、畝の間などへのピンポイント散布、傾斜地の果樹園などでの散布が容易になります。大量にこのような需要が見込める場合は有効です。
(参考資料)後藤隆志:農業技術体系 土壌施肥編 第7巻、追録2002年(農文協)
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