無機資材と家畜ふんの融合の事例として、群馬県の畜産試験場で開発した珪酸カルシウムを利用した堆肥製造があります。
使用した珪酸カルシウムはALC(軽量気泡コンクリート)を粉末もしくは小粒状に加工したもので、比重0.65とやや重い資材です。成分は珪酸54.7%、石灰25.2%であり、pHは8以上のアルカリ性を示し、これ単独で土壌改良効果があります。また、細かい隙間をもった構造のため、水分や悪臭成分の吸収に役立ちます。
生ふん(含水率85%)1m3に対し、珪酸カルシウム0.77m3を混合すれば、含水率は60%になります。珪酸カルシウムはオガクズに比べ比重が大きいため、堆積高は1.5m以下とし、10日に一度程度の切り返しを行えば、約30日で堆肥ができあがります。
群馬県で作成した堆肥の成分例を表に示しました。できあがった堆肥は石灰が多く、土壌の酸性改良効果があるため露地野菜には適していますが、塩類が蓄積しやすい施設野菜では施用量を抑制する必要があります。
種 類 | 窒 素 | リン酸 | カ リ | 石 灰 | 苦 土 |
牛ふん | 0.5〜1.5 | 0.8〜1.8 | 0.8 〜2.5 | 10〜15 | 0.7〜1.2 |
豚ぷん | 1.0〜2.0 | 2.0〜3.5 | 1.0 〜1.5 | 12〜17 | 0.8〜1.3 |
鶏ふん | 1.0〜1.5 | 2.0〜3.0 | 1.0 〜2.0 | 20〜25 | 0.8〜1.3 |
前のページにもどる