前処理した堆肥原料の適正な容積重は、ふん尿や副資材などの原料の種類や状態、堆肥化施設の構造、通気量や切り返し頻度などの発酵の管理状況、気候などによって違います。それぞれの堆肥化する現場ごとに、適正な値を求めなくてはなりません。また、原料が変わった場合には、値を求め直す必要があります。面倒だと思われるかもしれませんが、不適切な前処理によって発酵を失敗して二重手間になったり悪臭が出たり、不必要に多くの副資材を使って経費がかさんだりすることを防ぐことができる、とても有効な方法なので、ぜひ行ってください。
容積重の求め方は、容積重の求め方をご覧下さい。
まずは、きちんと発酵できる状態を探します。多くの場合、容積重が0.6kg/L以下になれば、良好な発酵をするので、これを目安に前処理してみてください。1〜3日で急激な温度上昇が見られないならば、容積重をもっと低くします。逆に温度上昇が見られたならば、容積重を大きくできるかもしれません。この試行錯誤を繰り返して、これ以上容積重を大きくすると、良好な発酵ができなくなるところを探します。こうして得られた値が、適正な容積重です。
適正な容積重は、気候によって変わるので、夏と冬のそれぞれの値を求めておく必要があります。また、容積重は、出来上がり堆肥の性状に影響するので、より乾燥した堆肥を作ることなどを目的として、もっと低い容積重に設定する場合もあります。
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