建築廃材の利用(注)

 建築廃材等を粉砕した廃材チップを堆肥化の副資材に利用している例があります。安価な副資材になる可能性がありますが、問題が多いので、以下の手順に従って利用してください。

  1. 廃材チップの問題点を知る
  2. 具体的な購入先を探す
     家屋の解体からチップの製造までを一括して行っている業者だと、解体現場で大まかな分別がなされるため、良質な廃材チップを安価で販売している可能性が高いです。このような業者を中心に、購入先の候補を検討してください。

  3. 購入先の業者が法的に問題ないか
     廃材の利用に関する法律に従って操業しているかを確認してください。

  4. 分析証明書がもらえるか
     廃材チップの重金属(ヒ素、カドミウム、水銀、クロム、鉛、銅、亜鉛)等の分析証明書を、明示しない業者から購入してはいけません。また、その分析値に問題がないか(高濃度の重金属を含んでいる堆肥はダメドイツの廃材条例の基準値)を確認してください。

  5. 製造ラインを確認する
     実際に製造しているところを見せてもらい、以下のポイントを確認してください。
  6. 廃材チップの質を確認する
     実際に廃材チップを見て、混入物の有無やチップの性状を確認してください。

  7. 価格を確認する
     他の副資材よりも安くなくては利用する意味がありません。価格は十分に交渉してみてください。
      →オガクズよりも安価な場合がある

  8. 堆肥化してみる
     オガクズなどとはふん尿に混合する割合が違うので、実際に1回分の廃材チップをサンプル出荷してもらい、良好な発酵ができる混合割合を求めてください。
      →適正な容積重を求める

     できあがった堆肥が、耕種農家に利用してもらえそうな質になっていることを確認できたならば次に進みます。

  9. 必要な量と価格を検討する
     ふん尿量に対して、どのくらいの廃材チップが必要なのか、価格はどうなるのかを計算してください。コスト的に見合うならば、利用した方が経営的に得だと判断できます。

  10. 常に質を確認する
     廃材チップは、質が変化する可能性があります。常に、異物の混入具合を確認してください。また、成分分析値や、防腐・防虫剤処理木材の分別状況も、時々確認してください。

  11. 安心のために
     重金属等の混入による被害に遭った時のために、廃材チップを購入する度に、5L程度をビニール袋に入れて保管しておきます。袋には、購入年月日、購入先、購入量を記載してください。また、問題が起きた時は、自治体の担当者に相談し、製造物責任法にしたがって損害賠償請求できるかどうかを検討した上で、業者と交渉してください。


前のページにもどる