地域特有の有機性廃棄物の利用について(注)
副資材として、オガクズ、バーク、イナワラ、モミガラ、ムギワラが一般に利用されています。しかし、地域によっては、これらで十分な量の副資材を確保できない場合があります。農業生産や食品加工などから出る有機性廃棄物は、安い副資材になる可能性があります。緑茶、コーヒー、ウーロン茶の粕、バガス、剪定枝、園芸残渣、ケール粕を利用した例が報告されています。ここでは、これらを参考に、利用方法を作成しました。なお、同様の資材である建築廃材等を粉砕した廃材チップと細断古紙については、それぞれのページをご覧ください。
- 有機性廃棄物の問題点を知る
- 具体的な購入先を探す
具体的な購入先があるならば、次に進みます。
- 質を確認する
実際に現物を見て、使えそうならば次に進みます。もし、乾燥や細切が必要ならば次に、そのまま副資材に使えるならば5に進んでください。
- 乾燥や細切の処理方法を考える
乾燥や細切を購入先にやってもらえるのであれば、価格を考慮しながら副資材として適切な状態にしてもらってください。購入後に自らが行うのであれば、それに必要な施設や装置があるか、処理能力はあるか、手間をかけられるかを検討して、可能ならば次に進んでください。
- 輸送手段を考える
一般に輸送コストが価格の多くを占めます。あまりに遠方である場合、価格的に見合わなくなります。水分が多いもの、腐りやすいものは、乾燥させてから輸送すべきです。長期に渡って継続的に入手できるのであれば、フレキシブルコンテナが利用できるように、排出元に相談してみてください。
- 価格を検討する
他の副資材よりも安くなりそうならば次に進みます。価格は十分に交渉してみてください。
- 堆肥化してみる
オガクズなどとはふんに混合する割合が違うので、実際に1回分をサンプル出荷してもらい、良好な発酵が可能な混合割合を求めてください。
→適正な容積重を求める
できあがった堆肥が、耕種農家に利用してもらえそうな質になることを確認できたならば次に進みます。
- 必要な量と価格を検討する
ふん量に対して、どのくらいが必要なのか、価格はどうなるのかを計算してください。コスト的に見合うならば、利用した方が経営的に得だと判断できます。
- 堆肥の利用先を検討する
病原性微生物の問題があるので、副資材に利用した作物残渣と同じ系統の作物には、施用しないようにしてください。堆肥成分が通常の家畜ふん堆肥とは違うことがあるので、肥料成分の分析をお勧めします。
- 常に質を確認する
有機性廃棄物は、腐敗するなど質が変化しやすいですから、常に質が適切かどうかを確認するようにしてください。質が変化したときは、その都度、良好な発酵ができる混合割合を求めてください。
→適正な容積重を求める
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